薬味でリズムを

和食に薬味は付きものです。薬味は「加薬」「加役」とも呼ばれ、本来は毒消しの意味があったそうですが、今ではお料理の美味しさを引き立てるものとして添えられています。お吸い物などの汁物では「吸い口」と呼ばれますが、柚子や三つ葉などが浮かんでますし、うなぎには山椒、おでんには辛子、牛丼には紅生姜、といったようにこの料理にはこれ!というものがある程度決まって、というか定着しています。蕎麦もしかり。大根おろし、刻み葱、山葵、これを蕎麦の三大薬味というらしいです。刻み葱と山葵だけ、というお店もありますが、私どもの店ではこの「三大薬味」を添えてお出ししています。
さて薬味の使い方ですが、お薦めしているのは山葵をつゆには溶かずに直接蕎麦につけて召し上がっていただくということ。山葵をつけた部分は箸から離さずに、蕎麦の下1/3くらいをつゆにつけて『ずずっ』と啜っていただきますと、蕎麦の香りと、山葵の鼻に抜ける辛味とが相まって何とも言えない美味しさです。以前、お客様に「この山葵に合うようにお蕎麦を打ってるんですか?」と聞かれたことがありました。おそらく、それくらい蕎麦と山葵の相性が良くって美味しいって思っていただけたのでは、といいように解釈していますが。

と、ここまでは妻が書いてくれましたww

そばの味わいは繊細かつ淡白であり、どこを食べても同じ味なので、食事が単調になってしまいますよね。そこで薬味が活躍します。
葱は冷たいつゆとの相性がもうひとつな気がするので私はざるそば2枚以上食べる時以外はあまり入れません。そば湯用にとっておきます。(この辺は好みの問題です)
大根おろしに辛みを求めるお店もありますが、うちは山葵がありますので辛みは重視しません。大根はジアスターゼ(アミラーゼ)という消化酵素を含んでおり、デンプンを分解して糖化してくれるので、唾液と触れる前から蕎麦の甘味を増してくれます。
山葵については前述の通りですが、安曇野が日本一の産地ということを傍に置いてもイチオシの薬味です。そば湯との相性もいいです。
薬味は食事にリズムを与えてくれます。
めんどくさがらずにタイミングよく少しずつ使いましょう。

P.S.
『安曇野とわさび』の話もしたいですね。

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